成年被後見人の法律行為 その2
制限行為能力者制度に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組み合わせは、後記1から5までのうちどれか。なお、記述中の「取消し」は、すべて行為能力の制限による取消しのこととする。
- (省略)
- 成年被後見人が締結した契約をその成年被後見人が取り消すには、その行為を知った時から5年以内にする必要があるが、意思無能力を根拠とする無効であれば、その行為を知った時から5年を過ぎても主張することができる。
- (省略)
- 成年被後見人が高価な絵画を購入するには、その成年後見人の同意を得なければならず、同意を得ずにされた売買契約は取り消すことができる。
- 成年被後見人が契約を締結するに当たって、成年後見に関する登記記録がない旨を証する登記事項証明書を偽造して相手方に交付していた場合には、相手方がその偽造を知りつつ契約を締結したとしても、その成年被後見人は、当該契約を取り消すことはできない。
【司法書士試験 平成19年出題(肢ア~オを1~5へ変更、肢1、3は省略)】
解説
- 制限行為能力者がなした法律行為の取消権は、追認できる時から5年間行使しないと時効によって消滅してしまいます(126条)が、その消滅時効の起算点は、成年後見人が成年被後見人の契約締結を知ったときです。
ここまではいいのですが、意思無能力を根拠とする無効主張は、取消しのような期間制限は設けていません。つまり、無効の主張はいつでもできるということになり、5年過ぎようが関係ないということになります。
よって、肢2は「○」です。 - 成年被後見人は、日常生活に関する行為、身分上の行為を除いて、常に取り消し得るものとなります(9条)。高価な絵画の購入は、一般的には日常生活に関する行為とはいえませんので、成年被後見人のこの行為は取り消し得る行為と言えるでしょう。
また、成年後見人には同意権はありません。よって、成年後見人の同意があろうがなかろうが結果は同じ。肢4は「×」です。 - 肢5では、この成年被後見人は自分が成年被後見人であるということを偽造によって隠蔽し、相手方を騙して契約を締結しようとしています。
つまり、制限行為能力者が行為能力者であることを信じこませることを詐術を用いた場合、制限行為能力者でもその行為は取り消すことができなくなります(21条)。
ただし、相手方が制限行為能力者であることを知っていた場合は、相手方は保護されません。よって、肢5は「×」です。
制限能力者の詐術
メモ
肢2,4,5のいずれも制限能力者では重要な知識ですね。問題文的にも司法書士試験としては簡単な部類だと思います。
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2011年5月18日 | コメント/トラックバック(0) |
幼児の意思能力
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2011年5月11日 | コメント/トラックバック(0) |
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