被保佐人が保佐人の同意を要する行為

被保佐人とは、精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分なる者で、且つ、一定の者の請求によって家裁の審判を受けた者(11条)。

被保佐人には保佐人が付される(12条)が、被保佐人は保佐人の同意(又はこれに代わる行為)を要する行為について、同意を得ずしてなした場合、取り消し得る(13条4項)。

保佐人の同意を要する行為(13条1項列挙事由)

  1. 「元本の領収し、又は利用すること」
    法定果実(88条)を生じる財産の受領及び取得を目的としてなされる行為
    ex. 賃貸不動産返還、不動産賃貸、金銭利息付貸付
  2. 「借財又は保証をすること」
    時効利益の放棄、手形振出
  3. 「不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること」
    不動産の売却、物権設定、高価な動産の売却
  4. 「訴訟行為をすること」
    被保佐人単独では民事訴訟において原告となって訴訟を遂行する能力なし
  5. 「贈与、和解又は仲裁行為をすること」
    裁判上和解でも裁判外和解でも単独ではダメ。
  6. 「相続の承認もしくは放棄又は遺産の分割をすること」
  7. 「贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し又は負担付遺贈を承認すること」<
    単なる贈与、遺贈の受諾は被保佐人でも単独でなし得るが、贈与・遺贈の拒絶、負担付贈与・遺贈の受諾、包括贈与・遺贈の受諾・拒絶は保佐人の同意を要する。
    (被補助人は、審判がなければ単独でなし得るが審判あれば被保佐人と同様)
  8. 「新築、改築、増築又は大修繕をすること」
  9. 「第602条(短期賃貸借)に定める期間を超える賃貸借をすること」
    つまり、処分行為と管理行為の差で、管理行為は被保佐人単独(被補助人も)でなし得るが、処分行為(602条の範囲内を超える賃貸借契約)は要同意。

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2011年5月25日 | コメント/トラックバック(0) |

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制限能力者の詐術

制限能力者の詐術・・・制限能力者が相手方に対し、自分が行為能力者であると詐術を用いて誤信させること。この場合、もはや取消権の行使ができなくなる(21条)。

  1. 制限能力者が詐術を用い(※1)、
  2. 相手方が誤信し、
  3. その誤信と、制限能力者の詐術に因果関係があれば(※2)、

詐術を用いた制限能力者は取消権を喪失。ただし、相手方が悪意であれば21条の適用はなし

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2011年5月20日 | コメント/トラックバック(0) |

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成年被後見人の法律行為 その2

制限行為能力者制度に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組み合わせは、後記1から5までのうちどれか。なお、記述中の「取消し」は、すべて行為能力の制限による取消しのこととする。

  1. (省略)
  2. 成年被後見人が締結した契約をその成年被後見人が取り消すには、その行為を知った時から5年以内にする必要があるが、意思無能力を根拠とする無効であれば、その行為を知った時から5年を過ぎても主張することができる。
  3. (省略)
  4. 成年被後見人が高価な絵画を購入するには、その成年後見人の同意を得なければならず、同意を得ずにされた売買契約は取り消すことができる。
  5. 成年被後見人が契約を締結するに当たって、成年後見に関する登記記録がない旨を証する登記事項証明書を偽造して相手方に交付していた場合には、相手方がその偽造を知りつつ契約を締結したとしても、その成年被後見人は、当該契約を取り消すことはできない。

【司法書士試験 平成19年出題(肢ア~オを1~5へ変更、肢1、3は省略)】

解説

  1. 制限行為能力者がなした法律行為の取消権は、追認できる時から5年間行使しないと時効によって消滅してしまいます(126条)が、その消滅時効の起算点は、成年後見人が成年被後見人の契約締結を知ったときです。
    ここまではいいのですが、意思無能力を根拠とする無効主張は、取消しのような期間制限は設けていません。つまり、無効の主張はいつでもできるということになり、5年過ぎようが関係ないということになります。
    よって、肢2は「○」です。
  2. 成年被後見人は、日常生活に関する行為、身分上の行為を除いて、常に取り消し得るものとなります(9条)。高価な絵画の購入は、一般的には日常生活に関する行為とはいえませんので、成年被後見人のこの行為は取り消し得る行為と言えるでしょう。
    また、成年後見人には同意権はありません。よって、成年後見人の同意があろうがなかろうが結果は同じ。肢4は「×」です。
  3. 肢5では、この成年被後見人は自分が成年被後見人であるということを偽造によって隠蔽し、相手方を騙して契約を締結しようとしています。
    つまり、制限行為能力者が行為能力者であることを信じこませることを詐術を用いた場合、制限行為能力者でもその行為は取り消すことができなくなります(21条)。
    ただし、相手方が制限行為能力者であることを知っていた場合は、相手方は保護されません。よって、肢5は「×」です。
    制限能力者の詐術

メモ

肢2,4,5のいずれも制限能力者では重要な知識ですね。問題文的にも司法書士試験としては簡単な部類だと思います。

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成年被後見人の法律行為 その1

  1. 自然人ばかりでなく法人も、成年後見人になることができるが、株式会社等の営利法人は、成年後見人になることはできない。

【行政書士試験 平成17年出題】

  1. 制限行為能力者が成年被後見人であり、相手方が成年被後見人に日用品を売却した場合であっても、成年被後見人は制限行為能力を理由として自己の行為を取り消すことができる。

【行政書士試験 平成18年出題】

解説

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未成年者の法律行為 その2

未成年者の能力に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 未成年者でも、満15歳に達すれば遺言をすることができる。
  2. 未成年者は、法定代理人から営業の許可をされた場合には、その営業に関しては成年者と同一の能力を有する。
  3. 未成年者でも婚姻をすると成年に達したものとみなされる。
  4. 未成年者の法律行為は、単に権利を得又は義務を免れるべき行為といえども、法定代理人の同意を必要とする。
  5. 未成年者は、法定代理人が目的を定めて、処分を許した財産については、その目的の範囲内であれば、随意にこれを処分することができる。

【行政書士試験 昭和63年出題】

解説

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