第5章 法律行為 -代理-
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- 第99条【代理行為の要件及び効果】
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代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる。
2 前項の規定は、第三者が代理人に対してした意思表示について準用する。
代理・・・本人と一定の関係にある他人が、本人のために意思表示をなし、又はこれを受けることによって、その法律行為の効力を直接的に本人に帰属させることを認める制度。
私的自治を拡張(任意代理制度)・補充(法定代理制度)する機能を有する。◆代理行為の要件
- 本人のためにすることを示すこと(顕名主義 1項)・・・本人に効果を帰属させようとする意思(代理的効果意思)が必要。本人の利益を図る意思は必要ない。顕名は、必ずしも本人の氏名が明示されていなくとも、周囲の事情から推察して本人が誰であるかが解ればよい(100条但書)。
- 代理人の法律行為が有効であること
- 代理権の範囲にあること
◆代理行為の効果
- 代理人のなした法律行為(代理行為)の効果は、本人に直接に帰属する。
- 代理行為に瑕疵があれば、それによる効果(錯誤無効等)も直接に本人に帰属する。
- 第100条【本人のためにすることを示さない意思表示】
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代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、自己のためにしたものとみなす。ただし、相手方が、代理人が本人のためにすることを知り、又は知ることができたときは、前条第一項の規定を準用する。
代理人が代理的効果意思は有しているが、顕名を欠いて自己の名において行為を行った場合の相手方保護規定。
顕名がない場合には、その代理行為は自己のためにしたものとみなす。ただし、顕名主義は、相手方保護の趣旨があるため、相手方が代理意思の存在について悪意・有過失である場合にまで顕名主義を採用することはない。
よって、相手方が代理意思の存在について「本人のためにすることを知り(悪意)」・「知ることができた(有過失)」は、顕名がなくとも本人に法律行為の効果が帰属する。 - 第101条【代理行為の瑕疵】
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意思表示の効力が意思の不存在、詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。
2 特定の法律行為をすることを委託された場合において、代理人が本人の指図に従ってその行為をしたときは、本人は、自ら知っていた事情について代理人が知らなかったことを主張することができない。本人が過失によって知らなかった事情についても、同様とする。
代理行為の主体は代理人である(代理人行為説 判例・通説)ので、代理行為における意思表示の瑕疵の有無は代理人について判断する(1項)。
ただし、本人から特定の法律行為を委託された代理人が、本人の指図に従って行為をした場合には、本人自ら知った事情、又は知り得た事情については代理人の不知を主張出来ない(2項)。 - 第102条【代理人の行為能力】
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代理人は、行為能力者であることを要しない。
代理人は、行為能力者であることを必要としない。
それは、仮に代理人が制限能力者であっても、制限能力者であることを理由に代理行為を取り消すことはできないという意味である。 - 第103条【権限の定めのない代理人の権限】
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権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する。
一 保存行為
二 代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為
代理権はあるにはあるが、その範囲や権限が不明だったり、特に定められていなかった場合に、これを補充する規定。
- 第104条【任意代理人による復代理人の選任】
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委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。
復代理人・・・代理人が自己の代理権限内の行為を行わせるために、代理人の名において選任した本人の代理人。
任意代理人の場合、原則として復任権はないが、例外として、
①本人の許諾があるとき
②やむを得ない事由があるとき
は、復任権が認められる。 - 第105条【復代理人を選任した代理人の責任】
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代理人は、前条の規定により復代理人を選任したときは、その選任及び監督について、本人に対してその責任を負う。
2 代理人は、本人の指名に従って復代理人を選任したときは、前項の責任を負わない。ただし、その代理人が、復代理人が不適任又は不誠実であることを知りながら、その旨を本人に通知し又は復代理人を解任することを怠ったときは、この限りでない。
通常、任意代理人は復代理人について選任監督懈怠(けたいorかいたい)責任を有するが、本人の指名に従って復代理人を選任した場合、不適任・不誠実を知って本人に通知せず、解任しなかった場合に責任を負う。
- 第106条【法定代理人による復代理人の選任】
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法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。この場合において、やむを得ない事由があるときは、前条第一項の責任のみを負う。
通常、復代理人に過失あれば、法定代理人に過失なくとも責任を負うが、やむを得ない事由があるときは、選任監督懈怠責任のみ負う。
- 第107条【復代理人の権限等】
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復代理人は、その権限内の行為について、本人を代表する。
2 復代理人は、本人及び第三者に対して、代理人と同一の権利を有し、義務を負う。
本人との関係において、復代理人は本人の代理人である。よって、本人の名で代理行為を行い、その効果はすべて本人に帰属する。復代理人と代理人は、同一の権利義務を有する。
代理人との関係において、復代理権は代理人の代理権を範囲を超えることはできない。
復代理権の範囲を超える行為をなした場合は、たとえ代理人の代理権の範囲内であったとしても、無権代理となる。代理人の代理権が消滅すると復代理権も消滅する。 - 第108条【自己契約及び双方代理】
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同一の法律行為については、相手方の代理人となり、又は当事者双方の代理人となることはできない。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。
自己契約・・・特定の法律行為につき、当事者の一方が相手方の代理人になること。
双方代理・・・特定の法律行為につき、一人の者が双方の代理人となること。自己契約・双方代理という、実質的に一人の代理人が自分一人で契約することになれば、当事者の一方の利益が不当に害されるおそれがあるため、原則、自己契約・双方代理を禁止した規定。
自己契約・双方代理は無権代理となる。
- 「債務の履行」・・・、債務の履行であれば、予めなすことは決まっており、本人の不利益にはならないから。また、「債務の履行」ではないが、売買に基づく移転登記申請、株式の名義書換は許される。
- 「本人があらかじめ許諾した行為」・・・108条の趣旨は、本人の保護にあるため、本人が許諾すれば当規定は適用されないとする。
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2011年5月10日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:条文



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