第2章 人 -行為能力(未成年・成年被後見人・被保佐人)-

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第4条【成年】

 年齢二十歳をもって、成年とする。


20歳に満たない未成年者を知能・精神の発達の程度を問わず、制限行為能力者とし、法律行為の効力の決定を効率的にしたもの。

第5条【未成年者の法律行為】

 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2  前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
3  第一項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。


制限能力者たる未成年者を保護するべく、未成年者の法律行為について規定。

◆1項
法的代理人は、一次的には親権者(818条、819条)、親権者がいない、又は親権者が管理権を有しない場合は、未成年後見人(838条②)。
法的代理人は代理権、同意権、追認権、取消権を有する。
但し書きは、未成年に不利益にならない行為についての法定代理人の同意は不要という意。

◆2項
未成年者が同意を得ずになした法律行為を、制限能力者を理由に取り消す場合には法定代理人の同意は不要。

◆3項
「目的を定めて処分を許した財産」・・・旅行費、勉学費など
「目的を定めないで処分を許した財産」・・・小遣い

第6条【未成年者の営業の許可】

 一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。
2 前項の場合において、未成年者がその営業に堪えることができない事由があるときは、その法定代理人は、第四編(親族)の規定に従い、その許可を取り消し、又はこれを制限することができる。


成年擬制(法律上、成年とみなされる)規定の一つ。

◆1項
成年擬制がみなされるのは、「その営業」に関してのみであるので、婚姻に関する成年擬制には及ばない。

◆2項
この場合の「取り消し」は撤回の意味であり、将来に向かってのみ効力を有する。

第7条【後見開始の審判】

 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、
保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。


成年被後見人・・・「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある」者→行為の結果を弁識するに足るだけの意思能力を欠く状況が通常の状態であり、家庭裁判所によって後見開始の審判を受けた者。

家庭裁判所は、一定の者の請求があって初めて審判手続に入ることが出来る。

第8条
【成年被後見人及び成年後見人】

 後見開始の審判を受けた者は、成年被後見人とし、これに成年後見人を付する。


成年後見人は、代理権・追認権・取消権は有するが、同意権はない。
成年後見人は、家裁が職権で選任する。必要に応じて複数選任でき、法人でも可。

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第9条【成年被後見人の法律行為】

 成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。


成年後見人には同意権はないが、成年被後見人のなした法律行為は、成年後見人が同意するしないに関わらず、原則として常に取り消し得る。
ただし、日用品の購入・日常生活に関しては、この限りではない。
取り消し得る行為については、成年被後見人本人単独でも取り消し得る。

第10条【後見開始の審判の取消し】

 第七条に規定する原因が消滅したときは、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人(未成年後見人及び成年後見人をいう。以下同じ。)、後見監督人(未成年後見監督人及び成年後見監督人をいう。以下同じ。)
又は検察官の請求により、後見開始の審判を取り消さなければならない。


成年被後見人が、後見開始の審判の要件となる精神状態でなくなった場合、一定の者の請求によらなければ、後見開始の審判は取り消すことが出来ない。

第11条【保佐開始の審判】

 精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、
保佐開始の審判をすることができる。ただし、第七条に規定する原因がある者については、この限りでない。


被保佐人・・・「精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である」者→行為の結果を弁識するに足るだけの意思能力が、著しく不十分である状況が通常の状態であり、家庭裁判所によって保佐開始の審判を受けた者。

家庭裁判所は、一定の者の請求があって初めて審判に入ることが出来る。

第6章 保佐

第12条【被保佐人及び保佐人】

 保佐開始の審判を受けた者は、被保佐人とし、これに保佐人を付する。


保佐人は、同意権(13条1項)、追認権(122条)、取消権(121条1項)を有するが、代理権はない。

第13条【保佐人の同意を要する行為等】

 被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
一  元本を領収し、又は利用すること。
二  借財又は保証をすること。
三  不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
四  訴訟行為をすること。
五  贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法 (平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項 に規定する仲裁合意をいう。)をすること。
六  相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。
七  贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。
八  新築、改築、増築又は大修繕をすること。
九  第六百二条に定める期間を超える賃貸借をすること。
2  家庭裁判所は、第十一条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求により、被保佐人が前項各号に掲げる行為以外の行為をする場合であってもその保佐人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
3  保佐人の同意を得なければならない行為について、保佐人が被保佐人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被保佐人の請求により、保佐人の同意に代わる許可を与えることができる。
4  保佐人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。


被保佐人は、重要な財産上の行為(1項列挙事由)について単独ですることは出来ず、保佐人の同意が必要になる。ただし、日常生活に関する行為・日用品購入、その他の財産行為に関しては、単独でなし得る。
1項列挙事由以外の行為にも、家裁は一定の者の請求により、同意を要する事項を定めることが出来る(2項)。

第14条【保佐開始の審判等の取消し】

 第十一条本文に規定する原因が消滅したときは、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人又は検察官の請求により、保佐開始の審判を取り消さなければならない。
2  家庭裁判所は、前項に規定する者の請求により、前条第二項の審判の全部又は一部を取り消すことができる


被保佐人が、保佐開始の審判の要件となる精神状態でなくなった場合、つまり、意思能力を完全に回復した場合ないし補助開始の要件となる程度まで精神状態が回復した場合は、一定の者の請求によって保佐開始の審判は取り消さなければならない。

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2011年5月9日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:条文

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